自分が自分であることが好きだから 03/03/15
今日、フジテレビの「サイエンスミステリー それは運命か奇跡か DNAが解き明かす人間の真実と愛」という番組を見た。そこにはプロジェリア、つまり早老症の患者であるアシュリー・へギという11歳の女の子のドキュメントがあった。
早老症と言うのはどうやら、遺伝子異状により、ある種の酵素(DNA修復酵素)が欠乏している事により、常人の約10倍のスピードで加齢してしまうというものだ。つまり、アシュリーは100歳を肉体年齢で上回っている事になる。
800万人に1人の遺伝病。。。そして、世界には30人の患者しかいないという。そんな運命を背負ったら、先ず、その不幸を嘆き、健常者を羨む。そんな心理が当然だと思っていた。
でも、彼女は、「生まれ変わるなら何になりたい?」という質問に「もう一度私になりたい」と答えた。「どうして?」という問いに迷わず「私が私であることが好きだから」と答えた。そして、「私の悲しむ姿を見せたくない。みんな幸せであってほしい」と。
世の中はイラク情勢、北朝鮮問題、不況と、「自分のみは自分で守れ!」なんていうピリピリした状況にある。他人のことなんて知ったことじゃない、「いま、自分が生きる」ことに躍起になっている。
私も含め、どれだけの人が「自分が好きだ」と言えるのだろうか?私は先ず、自分に自信はない。無い、といってはオーバーだけれど、でも、胸を張れる人間じゃない。これに加え、自分のみを削いでまで他人を思いやれるかといわれれば、彼女の境遇に自分が置かれたときを考えるとやはり絶える自信はない。悲劇のヒロイン(ヒーロー?)を少なからず演じるだろうと思う。
いま、本当に世界情勢は緊迫に満ちている状況らしい。この動向がどう転ぶかはアメリカ、ひいてはブッシュ大統領の一決断に委ねられているといっても過言ではない。私にはどう考えても「戦争に進みたがっているアメリカ」が見えて仕方が無い。でも、彼に本当に一言、「あなたは自分が好きですか」と聞いてみたい。
自分が好き=自分以上には望まない、とこうなってはじめて他人への思いやりのゆとりが持てると思うから。